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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第26章 運命は・・・先着順?

「長らくお疲れ様でした
それでは…本日はこれにて
橘さんとは後日、再度〃打ち合わせ〃を
させて頂いて
篠宮さんには弁護士より改めて
ご連絡を差し上げます・・・
その際は…再びご足労をお願いする事と
なる可能性が高いのですが何卒・・・」
弁護士が…これまた淡々と
キレイにまとめてる風だが
事実上…話がまとまらず
決着がつかなかった形だ
マリアは途中退席させられたし
俺も書類にサインはしていない
厳密に言えば
ヤツも…この場は何も言わなかった
プロである弁護士はともかく
余程動揺したのか…
アクシデントが起こった後で、その場で
書類に再度署名を求められることはなかった
この…少しばかりは人の心を
人間味を持って、ポリシーとか持って
仕事してるらしきロボット弁護士
コイツが…マリアを助けてくれるのでも
守ってくれるのでもないから
良いも悪いもないんだが
ヤツに真相を確かめたのも、きっと
被害者を名乗って弁護した依頼人が
実はDV夫だった…なんて疑惑があったら
マズイし、それが事実ならば
それも踏まえてヤツを弁護する必要がある
…そんなとこか
とにもかくにも
先方は事足りぬまま解散になった
『ユウト・・・失礼するよ』
俺の母親が…こざっぱりして?っていうのか
さっさと席を立って
先方に最後に深く・・・一礼して
出口に向かった
相手方とバッティングしないように
別々の出口から出されて
母親と二人、エレベーターに入る
『・・・』
『・・・』
『母さん・・・』
『うん…?~・・・』
『ごめん・・・』
地獄みたいな夫婦生活と離婚を経験して
苦労して…子育てして
やっと幸せになった母親に俺は…
要らぬ心配をさせて
下げずとも良い頭を下げさせて
そして…その母親としての名誉や
何より心を傷付けた
何かを失う事なんか恐れていなかった俺は…
母親のその姿に
自分のしたことの罪深さを
改めて痛感した・・・
それでは…本日はこれにて
橘さんとは後日、再度〃打ち合わせ〃を
させて頂いて
篠宮さんには弁護士より改めて
ご連絡を差し上げます・・・
その際は…再びご足労をお願いする事と
なる可能性が高いのですが何卒・・・」
弁護士が…これまた淡々と
キレイにまとめてる風だが
事実上…話がまとまらず
決着がつかなかった形だ
マリアは途中退席させられたし
俺も書類にサインはしていない
厳密に言えば
ヤツも…この場は何も言わなかった
プロである弁護士はともかく
余程動揺したのか…
アクシデントが起こった後で、その場で
書類に再度署名を求められることはなかった
この…少しばかりは人の心を
人間味を持って、ポリシーとか持って
仕事してるらしきロボット弁護士
コイツが…マリアを助けてくれるのでも
守ってくれるのでもないから
良いも悪いもないんだが
ヤツに真相を確かめたのも、きっと
被害者を名乗って弁護した依頼人が
実はDV夫だった…なんて疑惑があったら
マズイし、それが事実ならば
それも踏まえてヤツを弁護する必要がある
…そんなとこか
とにもかくにも
先方は事足りぬまま解散になった
『ユウト・・・失礼するよ』
俺の母親が…こざっぱりして?っていうのか
さっさと席を立って
先方に最後に深く・・・一礼して
出口に向かった
相手方とバッティングしないように
別々の出口から出されて
母親と二人、エレベーターに入る
『・・・』
『・・・』
『母さん・・・』
『うん…?~・・・』
『ごめん・・・』
地獄みたいな夫婦生活と離婚を経験して
苦労して…子育てして
やっと幸せになった母親に俺は…
要らぬ心配をさせて
下げずとも良い頭を下げさせて
そして…その母親としての名誉や
何より心を傷付けた
何かを失う事なんか恐れていなかった俺は…
母親のその姿に
自分のしたことの罪深さを
改めて痛感した・・・

