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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
いつかのように

外から施錠されている訳ではなさそうな玄関



だけど…立ち上がれないのは・・・何故?




目に見えない・・・ベール

見えない鍵のかけられた家のドア






私は…命じられた事だけをこなして

夫の帰りを・・・待つ





どこにでもある

幸せな家庭を築いて

夫の喜ぶ顔を想像しながら

夕飯に彼の好物を用意して

その帰りを待つ…

そんな・・・微笑ましい妻の姿などには

ほど遠い





壊れたからくり人形みたいな

正気も失いかけている私の姿





外出もままならず
外の空気を吸うのは

ネットスーパーで注文した食材を
受けとる…僅か一瞬




元より…近所にだって顔を合わせづらい



カズキの事だ

きっと私は…また病気療養していた

なんて事になっているのだろう





誰にも・・・夫にも

愛想笑いする力さえ残ってなどいない



誰にも・・・会いたくなんてない




私は…また

ひとりぼっちになっていくんだ





私は、制裁を受けない…それだけのために


命じられた事だけをひたすらこなす





私をそう動かすのは

やっぱり・・・恐怖心だ





あの協議の後から

私は…あの姑に謝罪をさせられたくらいで



当の夫からは、何の咎めも

制裁も受けていない




有難い…?



ううん、違う



〃わかっていた〃から、恐かった



とうの昔に…愛情など消えている



自己愛と支配欲に満ちた、あの男が



私を本当に受け入れようとなど
しているはずもなければ



易々と許すわけなどないのだ



それも…私や、優人を咎め
叩き潰すのに

これ以上とない
絶好の機会を迎えているのに



あの男の…そんな気質を誰よりも

最も良く知るのは

皮肉にも…私自身だと思うから





強いて言うなら

これは・・・嵐の前の静けさ




〃処分が決まるまで大人しくしていろ〃


そんな通達を受けたような気持ちだ





だからこそ

私は…恐ろしくてたまらなかった
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