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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
『え・・・?』



謎が謎を呼ぶ

本当に何をしだすかわからない夫




そして…カズキが手にしたのは

木炭の鉛筆と




『???…』





一体どこから引っ張り出したのだろう


と言うような

年季の入った・・・スケッチブック





良く見るとそれは

私の学生時代のデッサンのものだった





『カズキ・・・どうしたの?・・・なんで』







『ほら・・・早く』






酒を煽って

多少なれど軽快さを醸す夫






『私・・・なんかより、もっと

風景画とか・・・』








『まりあが一番だ・・・フフっ

テーマに一番相応しい』




『テーマ・・・?』






『何してる・・・早くしろ?』








ギロリ・・・




急に…目付きが豹変して私をとらえる




私は従って…カズキの目線が向いた
書斎のソファに、黙って腰をおろした





『こ・・・これで、いい?』



『・・・』







何も言わず…絵を描き始めるでもない夫は

机に頬杖をついて、不満げにして

私を観察していた








『もっと…自分らしい姿になったら?』





『え・・・』









『ふふ……タイトルは・・・そうだな

〃ありのままの乱れ妻〃ってとこだな』







『・・・っ』















『服を脱げ・・・』











『カズキ・・・っ』









ベキベキっ…







カズキが私に抗議などさせない、と
無言の圧をかけるように

空になったビールの缶を
片手で握りつぶした






『早く・・・』








夫が最初に用意した私への制裁は


不気味な…不気味な


じわりじわりと絞め殺すかのような







死ぬよりも苦しい


死にそうなのに・・・死ねない・・・拷問






そんな・・・制裁を私に加える
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