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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
『カズキ・・・そんなこと』




逆らえない…わかっていても
反射的に言葉が出た










ダンッ・・・





『っ…』




びくんっ・・・



無表情の夫がテーブルを叩く

私はスイッチが入れられたように

全身をガタガタと揺らしていた






『俺の言うことを聞けって・・・

言ってるだろうが!!!?

まだわからないのかお前はっ!!?』







『っ・・・いたっ!』







グイ…っ





乱暴に肩や髪の毛を掴まれて
ソファから立たされると

私の手足は、自分のそれとは思えない程
ガタガタと音を立てるように
震えが止まらなくなっていた






『ごめんなさい・・・、ごめんなさいっ…』





『・・・』





『殴らないで・・・、・・・』











『早く・・・脱げ』












絵を描くだの
そんなことはどうでも良いのだ

理由なんか…なんだって
後付けだって良いのだ

真の目的は
その行為その物ではない

この男は、私を試して
確かめたいんだ

何よりは

きっちりと私に
屈辱と制裁を加えるために








『~~…っ…』



カチカチと震える手でブラウスのボタンを外し
スカートのファスナーをおろした


ようやく従った私を見て
一旦は怒りを沈め

カズキはテーブル横の椅子に
ドカッともたれて

足組みをして
私を眺めている






パサっ・・・スル・・・




シーンとした一室



私の脱いだ服が床に落ちる音だけが響く









『まりあ…下着も・・・全部脱ぐんだ』







『~~…っ・・・』






底の見えない恐怖に

既に目には涙が滲む




椅子にもたれて、テーブルに頬杖をつき

こちらをじっと監視している夫の前で

着替えを強要され…私は全裸になった









『隠すな・・・』





否応なしに、胸や陰部を隠していた手を
下ろすように言われ

私は更に無防備な姿を晒す




翌日…カズキは休みだ



よりによって・・・いいえ



それゆえに

こんな事をわざわざ始めたのだ




この男が…飽きるまで

眠くなるまで

一端の気がすむまで

私は解放されないだろう
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