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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
ガチャ・・・
『・・・』
『・・・』
玄関のドアを開ける私の手は
完全に震えていた
そしてついに…モニター越しではなく
私の目の前に、その姿を現す
ドキン…ドキン…ドキン…
『ダンナさんは?』
『・・・ぉ・・・奥に・・・』
ドキン…ドキン…ドキン
冷淡…と言うのとは違うけど
ひどく他人行儀な
私とは相反して
落ち着きはらった様子の彼・・・
『お邪魔します・・・』
『・・・』
靴を脱ぐ…彼のその仕草に
私は、よろけそうに
なんとかスリッパを彼の足元に並べた
〃ゆぅちゃんが・・・
助けに来てくれた〃
なんて
自惚れや現実逃避に
溺れていたのではないけど
淡々とした・・・冷静にさえ見える
スーツ姿の彼・・・
そして・・・何を考えてるのか
わからない彼・・・
そんな状況
そんな・・・私にとっては
〃修羅場〃以外の何物でもない
そんな状況にいながら
冷や汗をかいて
慌てふためきながらも・・・私は
そんなその人を
一目見ただけで・・・私は
目の前の彼に・・・安心していた
『っ・・・?!』
『・・・』
他人行儀だった彼が
すれ違う、僅か一瞬
ほんの一瞬だけ
片手で私の頭を抱えるように
そっ・・・と
私を抱き寄せた
〃ゆぅちゃん・・・〃
僅か一瞬・・・一秒か
0.5秒にも満たない
一瞬の出来事
目の前に彼がいること
ゆぅちゃんの・・・匂い
この地獄のような空間に
彼が来てくれたことに
なぜか・・・安心している私がいた
なんの根拠もなく・・・安心していた
ほんの一瞬・・・微かなそのぬくもりだけで
頭のてっぺんから…爪の先まで
全身に血が廻るような
身体中から…毒素が抜けていくような
そんな・・・ぬくもり
その姿と・・・ぬくもりに
安心している私が
心の奥底・・・どこかに
確実に存在した
私・・・本当に
どうかしてるよね・・・
『・・・』
『・・・』
玄関のドアを開ける私の手は
完全に震えていた
そしてついに…モニター越しではなく
私の目の前に、その姿を現す
ドキン…ドキン…ドキン…
『ダンナさんは?』
『・・・ぉ・・・奥に・・・』
ドキン…ドキン…ドキン
冷淡…と言うのとは違うけど
ひどく他人行儀な
私とは相反して
落ち着きはらった様子の彼・・・
『お邪魔します・・・』
『・・・』
靴を脱ぐ…彼のその仕草に
私は、よろけそうに
なんとかスリッパを彼の足元に並べた
〃ゆぅちゃんが・・・
助けに来てくれた〃
なんて
自惚れや現実逃避に
溺れていたのではないけど
淡々とした・・・冷静にさえ見える
スーツ姿の彼・・・
そして・・・何を考えてるのか
わからない彼・・・
そんな状況
そんな・・・私にとっては
〃修羅場〃以外の何物でもない
そんな状況にいながら
冷や汗をかいて
慌てふためきながらも・・・私は
そんなその人を
一目見ただけで・・・私は
目の前の彼に・・・安心していた
『っ・・・?!』
『・・・』
他人行儀だった彼が
すれ違う、僅か一瞬
ほんの一瞬だけ
片手で私の頭を抱えるように
そっ・・・と
私を抱き寄せた
〃ゆぅちゃん・・・〃
僅か一瞬・・・一秒か
0.5秒にも満たない
一瞬の出来事
目の前に彼がいること
ゆぅちゃんの・・・匂い
この地獄のような空間に
彼が来てくれたことに
なぜか・・・安心している私がいた
なんの根拠もなく・・・安心していた
ほんの一瞬・・・微かなそのぬくもりだけで
頭のてっぺんから…爪の先まで
全身に血が廻るような
身体中から…毒素が抜けていくような
そんな・・・ぬくもり
その姿と・・・ぬくもりに
安心している私が
心の奥底・・・どこかに
確実に存在した
私・・・本当に
どうかしてるよね・・・