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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
あまり……見ないように意識していたが
キッチンのカウンターテーブルから覗く
びくびくしたマリアが
気にかかって仕方がなかった
『あの……お構い無く』
只でさえマリアを驚かせ
動揺を与えてしまった
その上で
ガチガチに震えているマリアに
申し訳なくてたまらない
俺は咄嗟に断った
そんな俺には、もちろん構わず
『フゥ・・・まりあ?
お前を置いておくなら
人形を立てて置いても同じだなぁ?
言われなきゃ、茶のひとつも
入れられないのか?』
この男は・・・減らず口で嫌味の嵐だ
『ごめんなさい・・・』
ガタガタと震えながら
キッチンに立っているマリアは
俺の知る・・・自然体のマリアとは
似ても似つかない
まるで・・・別人だった
『いつまで立っているんだ?』
ヤツが俺に目で合図して
テーブルを挟んだ
向かいのソファにかけるように示した
『いえ……』
招かれてもいなければ
俺が上がり込んで良いような場ではない
呑気に茶を飲みに来た訳でもない
俺は席につくのを拒んだ
もっと言えば
ヤツの真向かいに…座るのを
知らぬ間に
どことなく避けてたのかもな……俺
ガシャっ・・・ガチャンっ
カウンターテーブルの向こうから
氷やら食器がぶつかる音がした
『まりあ……うるさいぞ』
『ごめんなさい・・・っ』
『フフッ……まったく、落ち着きのない』
『・・・』
普通の神経の持ち主なら
落ち着いていられない場面だよな?
必要以上に怒鳴りつけたり
動揺しているマリアを
更に動揺させるように
いたぶるように
それを…楽しんでさえも見えるような
そんなヤツの姿は
言ってしまえば
猟奇的・・・
この場にいるだけで
肺の中が真っ黒にでもなりそうな
重く・・・息苦しい
そんな空気の中
俺は、冷静さを保とうと必死だった
キッチンのカウンターテーブルから覗く
びくびくしたマリアが
気にかかって仕方がなかった
『あの……お構い無く』
只でさえマリアを驚かせ
動揺を与えてしまった
その上で
ガチガチに震えているマリアに
申し訳なくてたまらない
俺は咄嗟に断った
そんな俺には、もちろん構わず
『フゥ・・・まりあ?
お前を置いておくなら
人形を立てて置いても同じだなぁ?
言われなきゃ、茶のひとつも
入れられないのか?』
この男は・・・減らず口で嫌味の嵐だ
『ごめんなさい・・・』
ガタガタと震えながら
キッチンに立っているマリアは
俺の知る・・・自然体のマリアとは
似ても似つかない
まるで・・・別人だった
『いつまで立っているんだ?』
ヤツが俺に目で合図して
テーブルを挟んだ
向かいのソファにかけるように示した
『いえ……』
招かれてもいなければ
俺が上がり込んで良いような場ではない
呑気に茶を飲みに来た訳でもない
俺は席につくのを拒んだ
もっと言えば
ヤツの真向かいに…座るのを
知らぬ間に
どことなく避けてたのかもな……俺
ガシャっ・・・ガチャンっ
カウンターテーブルの向こうから
氷やら食器がぶつかる音がした
『まりあ……うるさいぞ』
『ごめんなさい・・・っ』
『フフッ……まったく、落ち着きのない』
『・・・』
普通の神経の持ち主なら
落ち着いていられない場面だよな?
必要以上に怒鳴りつけたり
動揺しているマリアを
更に動揺させるように
いたぶるように
それを…楽しんでさえも見えるような
そんなヤツの姿は
言ってしまえば
猟奇的・・・
この場にいるだけで
肺の中が真っ黒にでもなりそうな
重く・・・息苦しい
そんな空気の中
俺は、冷静さを保とうと必死だった