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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
『カズキ!…やめてっ……!!!』




次の瞬間・・・




俺の前に…大きな・・・翼?






ちがう…







小さな体が、ひとまわりも二まわりも

大きく見える程

両手を目一杯に広げたマリアが

刃物を持ったヤツの前に立ちはだかる









『どけ・・・』








『っ・・・どかない』









『・・・っ!?』





〃マリア・・・バカ…っ

シャレになんねぇことを

するんじゃねぇよ!!!〃









『どけ…!!そこで見ていろっ…

お前の目の前で…

コイツを殺してやるっ……!!』






完全にイッちまった目をして

ヤツはマリアを突飛ばし

俺にその刃を振り上げる








『っ・・・!!』














『自分を追い詰めないで……カズキっ!!』







一瞬、動けなくなった俺の前で

その体が…動きが停止した



マリアの・・・大きな

叫び声と同時に









『カズキ・・・ごめんね』







包丁を振り上げたヤツの後ろから

その腰まわりにしがみつくように

2本の細い腕が見えていた









『私・・・知っていたのに』







『~~っ……』





『・・・』


〃マリア・・・?〃









『和樹の……やさしいところも

本当は恐がりな所・・・弱い所も

私は・・・知っていたのに』









『っ……』









『弱さから逃げるカズキと
私は一緒になって逃げていた

隣にいた私が…誰よりも
その痛みや弱さに…

強がる苦しみに…
寄り添ってあげられたはずなのに

出来なかった…言えなかった

私は・・・
私も、カズキから逃げていた』









『・・・』








『お義父さんに…認めてほしくて
誉めてほしくて、頑張ってきた…なのに

お義父さんが…急に亡くなって
カズキは…追いかける背を失った

悲しむ時間も…立ち直る時間も
ろくにないまま

カズキは…必死で
強くなろうとしていたんだよね…』










ガラン…っ








マリアの問いかけに

ヤツの手から包丁が転げ落ちた
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