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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第27章 飛べない鳥・・・
ヤツの…血走った目が
まばたきせずに…どこか一点を見ている
『戸惑いや…悲しみを堪えて
突き進むカズキに
私は…言えなかった
〃カズキ・・・それは違うよ〃って
私、言えなかった
側にいる…奥さんなのに
私、カズキの本当の苦しみや弱さに
寄り添えなかった
私が…ちゃんとカズキの
支えになっていれば…
本当の意味でカズキを支える
奥さんでいたら・・・
ちゃんと向き合えなかった
カズキに……ちがうよ、って
言えなかった
夫婦失格・・・奥さん失格なのは
私だったんだよね
ごめんね・・・カズキ』
『・・・。・・・』
『カズキ・・・?
相手(ひと)を傷付けても
カズキは…強くはなれないの
人を見下しても…力で押さえ付けても
手に入るのは・・・強さじゃないの』
『・・・』
『そこにあるのは・・・
〃孤独〃と〃悲しみ〃だけなんだよ』
『・・・っ…』
『力で…押さえつけようと
すればするほど・・・反発は起こる
強がれば強がる程…弱さに対して
人は臆病になるの』
『・・・』
『だから・・・
〃二人〃いるんじゃない・・・』
『・・・』
『支えたり……支えられたり
悲しみも……喜びも、分け合って…』
〃・・・〃
コイツの・・・この男の過去に
その生い立ちに何があったのか
俺には詳しくわからない
ソイツにしか・・・もしくは
マリアにしかわからない
この夫婦の歴史
少なくともマリアは
そんな、この男の心にある
〃呪縛〃のようなものを解くように
体当たりで…語りかけていた
『カズキ・・・何も強くなくても
弱さを見せたって良いじゃない
人間なんだから
〃一人〃じゃないんだから
立派でなくても・・・人より上に
いようとしなくても…良いじゃない
強がらなくても
〃ありのまま〃のカズキを
慕ってくれる人は…沢山いたはずよ
ちょっと不器用で…真面目で
一生懸命で…
私は・・・そんな
そんなカズキが、好きだった』
『・・・』
『不器用でやさしい…
私は…そんなカズキがいれば
それで良かったの……』
まばたきせずに…どこか一点を見ている
『戸惑いや…悲しみを堪えて
突き進むカズキに
私は…言えなかった
〃カズキ・・・それは違うよ〃って
私、言えなかった
側にいる…奥さんなのに
私、カズキの本当の苦しみや弱さに
寄り添えなかった
私が…ちゃんとカズキの
支えになっていれば…
本当の意味でカズキを支える
奥さんでいたら・・・
ちゃんと向き合えなかった
カズキに……ちがうよ、って
言えなかった
夫婦失格・・・奥さん失格なのは
私だったんだよね
ごめんね・・・カズキ』
『・・・。・・・』
『カズキ・・・?
相手(ひと)を傷付けても
カズキは…強くはなれないの
人を見下しても…力で押さえ付けても
手に入るのは・・・強さじゃないの』
『・・・』
『そこにあるのは・・・
〃孤独〃と〃悲しみ〃だけなんだよ』
『・・・っ…』
『力で…押さえつけようと
すればするほど・・・反発は起こる
強がれば強がる程…弱さに対して
人は臆病になるの』
『・・・』
『だから・・・
〃二人〃いるんじゃない・・・』
『・・・』
『支えたり……支えられたり
悲しみも……喜びも、分け合って…』
〃・・・〃
コイツの・・・この男の過去に
その生い立ちに何があったのか
俺には詳しくわからない
ソイツにしか・・・もしくは
マリアにしかわからない
この夫婦の歴史
少なくともマリアは
そんな、この男の心にある
〃呪縛〃のようなものを解くように
体当たりで…語りかけていた
『カズキ・・・何も強くなくても
弱さを見せたって良いじゃない
人間なんだから
〃一人〃じゃないんだから
立派でなくても・・・人より上に
いようとしなくても…良いじゃない
強がらなくても
〃ありのまま〃のカズキを
慕ってくれる人は…沢山いたはずよ
ちょっと不器用で…真面目で
一生懸命で…
私は・・・そんな
そんなカズキが、好きだった』
『・・・』
『不器用でやさしい…
私は…そんなカズキがいれば
それで良かったの……』