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第27章 飛べない鳥・・・

『・・・』



・・・・・・〃終わった〃






俺・・・そう思った









俺とマリアが・・・？・・・って？





まぁ・・・それはそうだよな







マリアは・・・最後に

この男の元に

〃夫の元に〃帰ろうとした








その真意は・・・


そこにあるのは・・・〃情〃なのか


それとも・・・〃愛情〃なのか


本当の所なんてわからない







だけど



マリアは・・・それでも





こんな・・・救い様のないような男を




マリアは救おうとした









ソイツに…どんな事情があろうとも




ソイツがしてきたことが




この男がマリアにしてきたことが

許されるとは

俺は…どうしても思えない






数年前に…父親を亡くしたとは
俺もなんとなく聞いていた

そこから…この男が、一層
急におかしくなった…なんて話も

それは、親をなくすのは
誰にとっても

人生において…大きな大きな喪失感
大きな哀しみと不安だ

経験した者にしかわからない
俺にも・・・マリアにも、まだわからない

この男にしかわからない
苦しみや痛みだと思う





マリアは・・・これまで暴走するヤツを
止められなかった事を

〃逃げた〃とか〃向き合わなかった〃
と言ってるが


第三者・・・俺からみたら



自分より…体もデカイ、力も強い


それでいて
こんな風に暴れちまう目の前の男を見たら


それは・・・当然なんじゃないか、と
俺は…思ってしまう




ソイツの苦しみが、どんなものだとしても



だからって



自分の奥さんを

自分より弱い者を



傷つけても良いなんて道理には

なりっこねぇよ




そんな・・・甘ったれた事が

許されるなんて




俺はどうしても思えない







俺が・・・〃終わった〃って言ったのは














『・・・うるせえ・・・』










俺が・・・本当に〃終わった〃

って思ったのは












『うるせぇ……うるせぇ…うるせえっ！！！』











〃終わった〃のは・・・この男