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梅の湯物語
第10章 味噌おでん はじめました
「話って 何?」

浩也が切り出す。

「あの...ずっと謝ってなくて」

佳菜子はうつむいた。

「だから、何を?」

浩也の問いに

「その...皮かむりって」

佳菜子の声は萎んでいった。

浩也がフッと笑った。

「そのことか」

「だから、本当にごめんなさい」

佳菜子は思いっきり頭を下げた。

「もういいよ」

浩也は優しく笑った。

「実はさ、達吉さんが親父に言ってくれて
 親父も昔そうだったんだって。
 それで親父と病院行って解決してきた。

 達吉さんが言ってた通り、からかってたんじゃなくてちゃんと見ててくれたんだよ。
 達吉さんが言ってくれなきゃいまだにわからなくて
 ...まあ、なんだないざというときに役に立たなかったかもしれない。

 いまじゃ、陽斗より立派になったぜ」

浩也は顔を赤らめながら自慢げに胸を張った。

「バカじゃないの?」

佳菜子は浩也を見て笑った。




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