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梅の湯物語
第10章 味噌おでん はじめました
「私たちにもあんな頃あったね」

佳菜子と浩也のファーストキスを見ながら

由美と優くんが通りすぎて行く

「優くん、あーん して」

由美は持っていた味噌おでんを優くんの口許に差し出した。

優くんの大きな口がパクリ

「あー!食べ過ぎ 優くん」

由美が口を尖らせた。

「じゃ、由美にも」

優くんの口にあったコンニャクが由美の口に転がり込んだ。

二人の舌で転がされるコンニャク

由美の口と優くんの口をいったり来たり。

いつしか味付けは柚子味噌から二人の唾液に...

由美の目がトロンとなって

膝の力がカクンと抜けた。

抱き止めた優くんは

「続きは 帰ってからにしよう」

由美の耳元で囁く

二人は見つめ愛ながら商店街を歩いていった。


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