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ぼでぃ・ぴろぅ
第1章 1
オレはその場で膝から崩れ落ちそうになった。『なんでー?!なんでー?!』と背中を床に擦り付け、手足をバタバタさせたかった。
誰だ!オレの弁当を開けたやつ!そうだよな、多仲さんしかいないよな…
「あ。岩しげ、おかりん」
なんだ、その差し出した腕は?まるでオレにくるまれとでも言ってるみたいじゃないか?
「今日は外で食べますんで」
「えー、いーじゃん一緒に食べようよ」
「じゃが芋なんか邪魔だから呼ばなくてよくない?」
そうだそうだ。オレはじゃが芋なんだからこっち来んなっ。須月さん、もっと言ってやってくれ。
「お願いだから」
多仲さんはオレのベルトを掴んだ。
男ばかり3人兄弟の末っ子として育ったオレは、可愛い声でお願いされるなんてことは生まれて初めての事態。
心がぐらりと揺れる。
「男らしくないよねー?ちかぽが誘ってるんだからさー。座ってあげなよ」
え?須月さん、さっきと言ってること違いますよね?オレの味方じゃなかったんですか?
こんなことで男らしさを測るなよ。仕方がない…導眠アイテムとして利用されるだけだ。