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ぼでぃ・ぴろぅ
第1章 1


「わかりました」

自分の席をぐるりと周って反対側に来ると、壁を向いて腰を下ろした。と同時に多仲さんの腕が腹に巻き付く。

付き合ってもない人に膝抱っこされるなんて、本当に恥ずかしい。照れっていうよりも嫌悪を感じる。

嫌がらせのために今日は普通に体重をかけてやる。重いだろ?そのうち痺れるぞ?だから今日でもう嫌になってくれ。

「昨日買ったバナクリいいね。両面のリボンが可愛い…ってかてか、えりちょは何でも似合う」

「そんなことないよー。色々試して合うものしか選んでないから」

「アタシも昨日の夜、研究したよ?でも顔のまわりの毛がないと丸顔がバレちゃうから、結び髪が上手くいかなくて」

丸顔はバレてますけど?弁当を掻っ込みながら心の中でツッコミを入れる。

「なら、ちょっと下めに二つ結びしたら?髪の束を前に持ってくればフェイスラインが隠れるよ」

女同士の会話をテレビの音声を聞くように耳を傾ける。
別に会話に混ざりたいわけじゃないけど、居ないものとして扱うなら居なくてもよくね?

「ふーん。じゃあ、もう1個テールクリップ買ってこよ。明日やってくれる?」

「いいよぉ。雑貨屋も一緒に行ったげる。……やほ!こっちこっち」

「おー!えりちょ。今日もアイシテル」

突然、聞こえた男の声。

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