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ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2
再び電車を乗り継いで地元の駅に戻って来た。駅の南側にはオレの通っている高校。反対側の北口からバスで20分の距離にオレ達の家がある。
「丁度、バスが来たところだな」
改札からバスターミナルまでのほんの少しの道のりをのんびりと歩く。発車までまだ5分あるからだ。いつも使ってるバスの時刻表は頭に記憶されている。
オレは家に着いたらどの漫画から読もうか、考えを巡らせていた。
「山もと…明日でいいか?」
オレ達は手に入れた漫画を貸し借りする仲だ。嗜好は違えど、多くの漫画を読みたい。
その約束を取り付けようと、山もとに答えを求めた。
すると山もとは不審げな視線を誰かに向けている。対向者辺りの位置。
その視線の先に、オレも顔を向けた。
…げっ!!金ギャルの多仲さんっ!めっちゃ目が合っちゃったし。やべー……
肩を大きく開けた白いブラウスに薄色デニムのサロペット。丸顔を隠す為か、緩くパーマのかかったボリュームのある髪をテールクリップで二つ結び。
「すごい髪色だな…岩しげの学校の子?お前のこと、すげーガン見してる」
オレにしか聞こえないように小さな声で耳打ちをされた。
「あっ、えっ…いやっ…」
オレは完全にきょどった。親友にしもべ扱いされてることなんて言いたくない。ここは知らない人の振りをしてやり過ごすしかない!