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ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2
多仲さんとすれ違った後、わずかに足を速め、バスの昇降口を一直線に目指した。
山もとより半歩先を歩き、バスに乗り込む。ステップに片足をかけた瞬間…
「岩しげ…」
終わった……
オレの名前を呼ぶ声を山もとに聞かれてしまった。その上、いつの間にかオレ達の間に割り込んだ彼女は、真後ろからシャツを引っ張りやがった。
上げた足が地面に戻され、鈍臭いオレはみっともなくよろめく。
バランスを崩してふらついたオレを抱き留めるようにして支えてくれたのは多仲さん。
「ねぇ、今から家に来て」
え?どーゆーこと?
「俺、先帰ってるわ」
助けもせずオレを置き去りにしたのは山もと。バスに乗り込む際、ニヤけていたのは見逃がさなかった。違う!そんな色っぽい話じゃねーんだよぉぉお!
「一緒に来てくれるって言うまで離さないから」
ちょっと待ってよぉ~!オレ、これからほのりちゃんと……オレを乗せずに目の前で発車してしまったのはバス。
「わ、わかりました。なんで家に行かなきゃいけないのか理由を話して下さい」
「岩しげが必要なの。眠れないの」
背中から可愛い声が聞こえてくる。
オレの二の腕をフニフニ?あれは授業中の居眠りのためなんじゃねーの?
「眠れないって…夜遊びし過ぎなんじゃないですか?」
「夜遊びなんかしてないもん」
してないって、そんな格好で言われても信じがたいんですが?