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ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2
家に着くと真っ直ぐに多仲さんの部屋に通された。
「あ、あのお家の方は?ご挨拶を…」
「誰もいないよ」
「そうですか」
初めて足を踏み入れた女性の部屋、こんなにも目がチカチカするもんなのか。
入って真っ先に興味をそそられた…じゃなくて目についたベッドは全体がピンク。床にはフサフサとした毛足の長いラベンダー色のラグ。
カーテンは白地にピンクの花柄とフリル、レースカーテンまでがピンクだ。幾つか転がっているハート型のクッションもピンクと薄紫色。
ドレッサーと化した勉強机は黒、折りたたみテーブルも黒。猫脚がついちゃってヨーロッパかっ!
でも、ひとつ分かったことがある。ヒョウ柄系じゃないんですね。
「適当に座って」
そう言われてもどこに座っていいのか分からず、突っ立ったままでいると、小さな猫脚テーブルの前で膝を抱えて体育座りをした多仲さんが隣のスペースをトントン叩く。
指示された場所に、荷物をおろして同じ様に体育座りをした。
異空間に居るような気分のオレは、危うくここへ来た目的を忘れるところだった。眠りたいんですよね?眠れない原因も話してくれるんですよね?
家を調べて、待ち伏せする程、オレの二の腕が必要だったんですよね?
顔周りの髪をフワフワと持ち上げている多仲さんの顔を盗み見ると、目の下に盛ってますと言わんばかりのピンクのチークでも隠しきれていないクマに気が付いた。