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ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2
「今日、泊ってく?」
突然発せられた謎の言葉に背筋が凍った。好きでもない付き合ってもない女性の部屋に泊まるわけないだろ!この人頭おかしい…
「泊まりませんよ。夕飯までには帰りますから」
駅に着いたのは5時前。フニフニし始めれば寝付くまで1分もかからんだろ。
「じゃあ、アタシが寝たら玄関の鍵お願いね」
猫脚テーブルの上にネズミのキャラクターキーホルダーが付いたスペアキーが置かれた。
「どこに戻せばいいですか?郵便受け?」
「玄関の横にお菓子の空き缶があるから、その中に」
と言いながら、さり気なくオレの横にある買い物袋に手を伸ばした。
「何買ってきたの?見ていい?」
瞬発力のないオレが、何年かに一度の本気を出して、すぐさま引き留めた。見んじゃねーよー!勝手に見ようとしないでね。これが参考書辺りだったらいいけど、エロ漫画しか入ってねーから!
エロい本だから見ないでとはもちろん言えず…
「この漫画、今日買ったんです。オレより先に読まないで下さい」
「へぇー、やっぱ岩しげってオタクなんだ。興味あるー!今度貸してね」
オタクではないですけど?
「ただの漫画好きです」
中身が漫画だとバラしてしまった上、言わなくてもいいことを言ってしまった気がする…