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ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2


いけね……

導眠アイテムとして気持ちを切り替えた。

「すみません、寝るんですよね?じゃあ、早く寝ましょう」

きちんと目を合わせて会話をしたのは、たぶんこの時が初めてだ。

「…お待たせしました」

少ししょげたような顔つきでオレを見上げ、可愛い声で素直に答え直す。アーンド必殺上目遣いっ!いかにも塗ってます的なチークも洗い落とされ、すっぴんのようだが普段とそんなに変わりが無い。
好みの顔じゃないが、一般的には偏差値の高い可愛い顔。ドキッとしない方がおかしい。

「クマがひどいですね」

なんか塗ってるんじゃないかと思って、影のように青黒くなっている目の下を指でそっと拭ってみた。けど指には何も付かない。本物のクマだ。

「1日3時間寝れれば、いい方」

「病院へは?」

「一応、診てもらった。んで、お薬貰ってきただけ。お薬飲むと眠れるんだけど、起きてる時めまいがすごくて…合わないのかなって。岩しげが一番効きそう…」

「ふっ、すぐに寝ちゃいますもんね」

「初めて見た…岩しげの髭…チクチクする…」

今度は多仲さんが色白な小さな手で、オレのあごを撫でる。なんかオレら甘いムードになってきた?

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