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ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2


いやいや、視界の中でチラチラと動く長い爪がめっちゃ怖いっす。しかも今日は真っ赤。先端恐怖症じゃないが突き刺されそうで怖い。

「髪は濡れたままでいいんですか?」

毛先から雫を垂らしてるのが気になった。普段ふわりとした髪がぺしゃんこになっても、頬を隠すことは忘れない。

「乾かす」

おしゃれアイテム入れらしきプラスチックのボックスの中からドライヤーを取り出すと、延長コードに繋いでベッドの脇に座り込んだ。

「岩しげ、やって?」

ドライヤーをオレに向ける。えっ…?その行為がどんだけ甘いかオレだって知ってますよ。いちゃいちゃカップルがやるもんでしょ?

あー、なるほど…ただのしもべだから美容師代わりってことですね。男として見られてないってことですね。

そもそも、男の前を風呂上がりにすっぴん、パジャマで堂々としないよな。

白ピンク薄紫の甘そうな配色、ボーダー柄のモコモコしたパーカーとショーパン。小さなケツと細くて柔らかそうな白い太もも。

はいはい、見てませんってば。

ドライヤーを受け取ると、勝手にベッドに上がり込んだ。いやらしいとか照れたりとか、意識しなきゃいいんだ。こんなん、やったことねーよ。どっから乾かせばいいんだ?

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