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ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2


「さてと、寝よ」

ドライヤーを床に転がしたまま立ち上がった多仲さんは、髪で頬を隠す。そんなに厳重にガードしなくても…もう丸顔はバレてるんですから。

今日は瞳がギラってない。大きな黒目だ。けど、さっき目を合わせた時、縁があったような気がする。

眼鏡をおでこに上げて、裸眼で瞳を覗き込んだ。白目の部分に僅かな段差が見てとれた。

「やっぱり!寝る時はコンタクトは外した方がいいですよ」

どや顔で指摘すると、多仲さんの頬が見る見るうちに色づく。あれ、やばいとこ突いちゃった?触れちゃいけない事だった?

「キスされるのかと思った…」

「し、しませんよっ!」

するわけないだろ!ファーストキスは好きな人と。って夢があるんだ!大事にとってあるんだぁ!

「変なことはしませんから、安心してください」

オレはジェントルマンだ。エロ漫画好きだが、好みじゃない女性になんか手を出さない。好みの人でも声すらかけられないが…

「別に…してもいいのに」

え、ええっ?!耳を疑うような発言がっ!さすがギャル様は異空間にいらっしゃるんですね。けど、オレはお断りだっ!

「さ、コンタクト外して来てください。寝る準備しましょ。オレもそろそろ帰りたいんで…」

ドレッサー、もとい勉強机の上に置かれた鏡を覗き込んでる隙に、床に転がったままだったドライヤーを拾い上げ、おしゃれアイテム入れに片付けた。

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