この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ぼでぃ・ぴろぅ
第2章 2
「さてと、寝よ」
ドライヤーを床に転がしたまま立ち上がった多仲さんは、髪で頬を隠す。そんなに厳重にガードしなくても…もう丸顔はバレてるんですから。
今日は瞳がギラってない。大きな黒目だ。けど、さっき目を合わせた時、縁があったような気がする。
眼鏡をおでこに上げて、裸眼で瞳を覗き込んだ。白目の部分に僅かな段差が見てとれた。
「やっぱり!寝る時はコンタクトは外した方がいいですよ」
どや顔で指摘すると、多仲さんの頬が見る見るうちに色づく。あれ、やばいとこ突いちゃった?触れちゃいけない事だった?
「キスされるのかと思った…」
「し、しませんよっ!」
するわけないだろ!ファーストキスは好きな人と。って夢があるんだ!大事にとってあるんだぁ!
「変なことはしませんから、安心してください」
オレはジェントルマンだ。エロ漫画好きだが、好みじゃない女性になんか手を出さない。好みの人でも声すらかけられないが…
「別に…してもいいのに」
え、ええっ?!耳を疑うような発言がっ!さすがギャル様は異空間にいらっしゃるんですね。けど、オレはお断りだっ!
「さ、コンタクト外して来てください。寝る準備しましょ。オレもそろそろ帰りたいんで…」
ドレッサー、もとい勉強机の上に置かれた鏡を覗き込んでる隙に、床に転がったままだったドライヤーを拾い上げ、おしゃれアイテム入れに片付けた。