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ぼでぃ・ぴろぅ
第3章 3
夏休みが明けての初日。
多仲さんと顔を合わせるのが怖い。
あの日、無意識にケツを揉んでしまった。この事は山もとにも言えなかった。
要するにだ、あの行為はいわゆる痴漢行為だ。……あっ、公共の場所じゃないからセーフか?うっかりとか、前後不覚とか、言い訳になるだろうか…?
いやいや、強制わいせつ罪だろうな…寝ている女性のケツを触っちまったんだ。
うぉぉぉおおおっ!
ついにオレも犯罪者か……母さん、不肖の息子でごめんなさい。
そんな懺悔をひとりでしていると、後ろの席から椅子を引きずる音が聞こえてきた。
多仲さんがご着席だ。
どうか、何も言われませんように!!
オレは体を強張らせ、少しでも前の方へと移動した。
ごそごそする音が止んだかと思ったら、オレの座る椅子に後ろから机が…
ガッツーン!!
数センチでも逃げようと前に詰めていたのに、あっけなく寄せられた。
「岩しげ…」
オレの二の腕を掴んでる爪が見える。今日もこの前と同じ赤だ。
「な、なんですか?」
平静を装って、軽く振り返る。もしここでケツのことを問いただされたらどーしよう…土下座をするか?待て待て、そんなことしたらクラスじゅうにバレるじゃないか!