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ぼでぃ・ぴろぅ
第3章 3
耐性がついたのか、オレの方も少しずつ順応していって、この膝抱っこという罰ゲームの環境に慣れていった。
慣れないのは、ギャル二人のファッション中心の会話と、須月さんからのきつーいじゃが芋ジャブ。
ギャル二人が関わってこない間は、壁に向かって弁当を食い、空気と化す術を覚えた。
週末の金曜日。
「わぁ、唐揚げがたくさん!美味しそう~」
母さんの手抜きなんだけど、おかずが唐揚げしか入っていないという、オレにとってはスペシャルな弁当。よっしゃ!今日は最高!
弁当のフタを開けた途端、横から顔を覗き込ませた多仲さんは、オレをぎゅうぎゅう締め付け、膝を上下に跳ね上げて喜んでいる。
待て!伏せ!あなたのお弁当じゃないでしょ。ついでに、オレのケツに変な振動を与えるな!
「先に食べますか?」
「これこれっ」
真っ赤な長い爪で、唐揚げを指す。適当に選んだのか、狙ったのか、一番おっきい唐揚げを持ってくんですね…
箸に刺して渡してやる。そんな長い爪じゃ食べにくいだろうに。
「んー、もいひぃ」
旨そうに、小さな口で唐揚げにかぶりついていく。もぐもぐと口を動かしながら、オレに向けるのは可愛い笑顔。
下がった眼鏡を手の甲で上げて、食べ終わった箸を受け取った。