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ぼでぃ・ぴろぅ
第3章 3
多仲さんは可愛いよ。確かに可愛い!髪が金髪じゃなかったら…爪が凶器じゃなかったら…カラコン入れて、つけまつ毛して、ピンクのチークで落書きしてなければな!
母さんが言うように、内面を見ろ?内面だって、強引で横暴で…それ以外はよく知らない。とにかく、オレをしもべにするなんて最低な振る舞いは、可愛い笑顔で許されるもんじゃない。
「今日、郡司とデートなんだぁ~」
「ふーん、いいなぁ。どこ行くの?」
またギャルトーク始まったぞ。
「どこかな?家かな?まだ決めてないけど。ちかぽも恋愛しなよ~、こんなじゃが芋相手にしてないでさ」
おっとー、オレここにいますけど?聞こえてますけど?ディスってんじゃねーぞ!このブ…?ブスじゃないな。
「うーん、ピリッと来る人がいないんだよね」
ピンとじゃなくて?ビビッとじゃなくて?辛味成分でも欲しいのかな、もしくは静電気レベル?
「じゃあさ、読モ仲間に声かけてみるから、コンパリしよ」
コンパリは分からん。合コンパーリーの略か?
「うん。楽しみに待ってるね」
「あっ!ちょっと郡司のとこ行ってくるね」
弁当箱を片付けて須月さんが席を立つ。タイミングを合わせてオレも手早く片付けた。
「トイレに行ってきます」
そんな私的情報をバラす必要は無いのだが、いいコメントが思いつかず、いつもこれで逃げて来てる。