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ぼでぃ・ぴろぅ
第3章 3
膝から降りて、須月さんが退いた自分の席に戻った。
「岩しげ…今日一緒に帰ろ?」
へっ?!多仲さんからの突然の誘い。さっき須月さんは郡司とデートって言ってたな…それでか。もちろん断るさ。
「いや…今日はちょっと…」
「でね、またフニフニしながら寝たいの。明日でもいいんだけど、日曜日にネイルサロンを予約しちゃったから、ゆっくり寝てられないんだよね」
今日はちょっと、って断ってるでしょ!土曜の休みの日もわざわざ行きたくないだろ!ネイルサロン?うううっ、そんなの知りませんよぉ……どーして勝手なことばっかり言うのかなぁ。明日呼ばれるより、まだましか…
「夕飯ごちそうするから」
「わ…かりました。今日ですね」
くっそ、食べ物に釣られたんじゃないぞ!上手く断れないだけで…もう、もうっ!しもべで、いいです。オレは足枷をはめられた奴隷のように、ズルズルと足を引きずってトイレへ向かった。
悪いこともあれば良いこともあるのだよ。
今、多仲さんと下校中。トボトボと多仲さんの後ろを付いて歩くオレは、50メートル先を見つめている。
なんと、黒髪の君も下校しているではないか!こんなラッキーチャンスは滅多にないぞ。
彼女が通った空間をオレも通る。残り香は残ってないか、そっと息を吸い込んでみたりして。