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ぼでぃ・ぴろぅ
第1章 1
一応、相手は女の子だ。
中肉中背の体重をかけないよう腰を浮かし気味に前傾姿勢を保っていたが、運動を全くしないオレには耐え抜く筋肉が備わっていない。弁当を食べきる前にギブアップだ。
「あの、食べ終わったんで放してもらってもいいですか?」
「まだ残ってるよ?」
呑気に弁当箱を覗き込みながら、腹にまわした腕に力を込めた。
あ、やめて…
支軸を崩したオレはあっけなく多仲さんの膝の上に落ち着いてしまった。
……ケツが熱い。
「普通に座ってもへーきだよ?重くないし、気ぃ遣わなくていいから」
いや!あなたが遣って下さいよ…
こんな、こんな…女の子の膝の上に抱えられるなんて、漫画の中だけなんだぁああ!
弁当箱に残ったおかずとご飯をひと口に詰め込んで、
「ふぁふぇほぉふぁふぃふぁしぃふぁ!」
食べ終わりましたと叫んだ。
けど、まだ放してくれない。きっと伝わっていないからだ…呑気にチョコデニッシュかじってるぅー!口を押えて高速で咀嚼する。
「飲む?」
オレが買ってきたコーヒー牛乳を差し出す多仲さん。思わず『ありがとう』と手を伸ばしそうになったけど、それ飲んだら間接チューだろ?!
「トイレ…トイレに行くので放してください」