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ぼでぃ・ぴろぅ
第1章 1


やっとのことで開放されたオレはトイレの個室に籠って頭を抱えた。

なんなのあれ?!オレなんか、やらかしちゃった?そうか…あれか!

思えば夏服に衣替えしてからだ。半袖のシャツの袖口辺りを、後ろの席からなんとなく見られているような…?

黒板に向かってるんだから、たまたまそこを見ていたんだろう。気のせいだ。

けどある時、プリントを回すために後ろを振り返った時、多仲さんの視線がそこに集中しているのを目撃してしまった。確実にそこを見ている。

袖口から糸でも出てるのか?最初はその程度の疑問。数日たっても二の腕辺りがムズムズするような気がして、何気なくチラ見したらやっぱり見てる。

家に帰ってシャツを確認しても、ほつれも汚れもな無い。ひょっとして1本だけ長い腋毛がはみ出てるのか?不安に思って確認したが、それも無かった。

ニオイか…自分では分からなかったが、デオドラント用品を買って腋のケアを怠らないようにした。

それでも視線を感じる日が続いていた。

そして遂に先週、魔の手が伸びてきた。なんと授業中、オレの二の腕に触れてきやがった。

危うく『ひぃっ!』と声を上げそうになったが、なんせ授業中…体をビクッとさせただけで踏みとどまれた。こんなことで目立ちたくはない。

こっそり注意をしようと振り返ったら、片腕を伸ばした多仲さんは金髪のつむじをこっちに向け、机に突っ伏して寝る体勢。

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