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ぼでぃ・ぴろぅ
第1章 1
掴まれたオレの二の腕に、食い込んでこそいなかったが3センチ程の長い爪。まるで鷹を留まらせた鷹匠の気分だ。
そんな凶器のような爪を装備した手でフニフニと揉みだした。
その行為は1分もかからなかった。次第に揉む力は弱くなり、二の腕から離れてだらりと垂れた。どうやら完全に寝たらしい。
これって、子猫がふみふみするやつ?
なに、気持ち良くなって寝ちゃったの?
その日から毎日続いた。突然やられてびっくりするけど、フニフニされることは特に害も無いから放置していた。ただの導眠行動だろ?
授業中寝息が聞こえてきたのには驚いた。オレってそんなに導眠効果あるんだ?ラベンダー臭を放出してるのかもしれない。
遂にオレも特殊能力を身に付けちまったか。フッ。
オレは親切だからな、二の腕くらい貸してやるよ。
って思ってたのに、バージョンアップしたんかっ!二の腕じゃ足りなくなったか!今度は本体かー!
これが黒髪の君だったら全然問題ないんだけど…むしろ嬉しいんだけど、金ギャルだもんな…カラコン入れてるのか知らないけど目玉が大きくて怖いんだよな…しかも黒目じゃなくてギラってるんだぜ?
こうなったら逃げるしかない。どこまで逃げ切れるか…?やってやる!
決意を固めて、ずり落ちてきた眼鏡を手の甲で上げ直す。教室に戻ると、オレの机の上にコーヒー牛乳のゴミが…
捨てるくらいしろよっ。中味残ってんじゃねーかよ。
仕方ない…とりあえず、持って帰るか。