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鬼ヶ瀬塚村
第11章 大学時代
『彼ね、とっても絵が下手くそなの』
真理子さんは悪そびれる事なく淡々と言う。
『あのね、とにかく確かにパッと見たら上手くは見えるのよ?だけどね、ノブと違って全然下手』
『はぁ…そうなんですか』
『うん、原稿見てさッ!思わず私目の前で大笑いしちゃったッ!』
『はぁ…相変わらずですね』
『だって、あんな小学生でも思いつきそうな下らない話を真剣に描いてるのよ?しかもカクカクと角ばった登場人物達ばっかりッ!私呆れちゃった…あんな下手糞な人が部長なんて…部活辞めようかしら…』
『そうですか』
『うん、ノブも辞めちゃいなよ?多分私とこうやってお喋りしてる方があんたには刺激になっていい話が描けるわよ』
『そうなんですか』
『うんッ!』
なんだか当たり前に会話が続く事に僕は幸せを感じた。
『ねぇ、先輩』
『何?』
『僕………』
『何よ?』
『先輩が好きですッ!』
言ってから僕は正座のまま頭を下げた。
顔は熱く、まるで日焼けした時のように熱を帯びていた。
喉の奥が緊張で収縮し、なんだか痛い。
けれど…どこか先輩が"私もよ"と言ってくれる期待が大きかった。
むしろ確信に近かった。
だって先輩は今僕の目の前にいるんだから。
真理子さんは悪そびれる事なく淡々と言う。
『あのね、とにかく確かにパッと見たら上手くは見えるのよ?だけどね、ノブと違って全然下手』
『はぁ…そうなんですか』
『うん、原稿見てさッ!思わず私目の前で大笑いしちゃったッ!』
『はぁ…相変わらずですね』
『だって、あんな小学生でも思いつきそうな下らない話を真剣に描いてるのよ?しかもカクカクと角ばった登場人物達ばっかりッ!私呆れちゃった…あんな下手糞な人が部長なんて…部活辞めようかしら…』
『そうですか』
『うん、ノブも辞めちゃいなよ?多分私とこうやってお喋りしてる方があんたには刺激になっていい話が描けるわよ』
『そうなんですか』
『うんッ!』
なんだか当たり前に会話が続く事に僕は幸せを感じた。
『ねぇ、先輩』
『何?』
『僕………』
『何よ?』
『先輩が好きですッ!』
言ってから僕は正座のまま頭を下げた。
顔は熱く、まるで日焼けした時のように熱を帯びていた。
喉の奥が緊張で収縮し、なんだか痛い。
けれど…どこか先輩が"私もよ"と言ってくれる期待が大きかった。
むしろ確信に近かった。
だって先輩は今僕の目の前にいるんだから。