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鬼ヶ瀬塚村
第11章 大学時代
『なるべく黒っぽいヌイグルミ取ってッ!ねぇ、ほらぁ…頑張ってッ!』
真理子さんは黒色が好きだったかな?いつも赤いストールや赤いニット帽や赤いセーターを身に付けている印象だ。
まぁ、気紛れな彼女だ"私、ヌイグルミだけは黒じゃなきゃ落ち着かないのよね"と言いそうだ。
僕は
『一発で取ってやる』
と意気込んだ。
彼女は"はいはい"と言って煙草に火を点ける。彼女は僕の恋人になってから僕と同じ銘柄の煙草を吸うようになった。
最初は"まずい"だの"苦い"だと言っていた癖に今ではすっかりスナックのマダムのように小慣れた手つきで煙を吐き出す。
きちんと成人してから吸い始めたのは偉いと思う。
僕はUFOキャッチャーの土台に設置された↑ボタンを押す。
おお、いい具合ではないか?
ちょうどピンク色のウサギのヌイグルミの脇に黒いヌイグルミが見えた。
熊かな?
僕はそれに狙いを定めて次は→ボタンを押した。クレーンがゆっくり動き、狙いを定めた黒いヌイグルミに腕を伸ばしていく。
『あれッ』
スカッとクレーンの腕は宙をかすめた。静かに元の位置へ規則正しく戻るクレーン…僕はチラッと真理子さんを見た。
物凄く僕を睨んでいた。たった一回ミスしただけで、しかもたかだかUFOキャッチャーだ。ゲームだ。
なのに彼女はまるで鬼の形相で僕を見ている。
真理子さんは黒色が好きだったかな?いつも赤いストールや赤いニット帽や赤いセーターを身に付けている印象だ。
まぁ、気紛れな彼女だ"私、ヌイグルミだけは黒じゃなきゃ落ち着かないのよね"と言いそうだ。
僕は
『一発で取ってやる』
と意気込んだ。
彼女は"はいはい"と言って煙草に火を点ける。彼女は僕の恋人になってから僕と同じ銘柄の煙草を吸うようになった。
最初は"まずい"だの"苦い"だと言っていた癖に今ではすっかりスナックのマダムのように小慣れた手つきで煙を吐き出す。
きちんと成人してから吸い始めたのは偉いと思う。
僕はUFOキャッチャーの土台に設置された↑ボタンを押す。
おお、いい具合ではないか?
ちょうどピンク色のウサギのヌイグルミの脇に黒いヌイグルミが見えた。
熊かな?
僕はそれに狙いを定めて次は→ボタンを押した。クレーンがゆっくり動き、狙いを定めた黒いヌイグルミに腕を伸ばしていく。
『あれッ』
スカッとクレーンの腕は宙をかすめた。静かに元の位置へ規則正しく戻るクレーン…僕はチラッと真理子さんを見た。
物凄く僕を睨んでいた。たった一回ミスしただけで、しかもたかだかUFOキャッチャーだ。ゲームだ。
なのに彼女はまるで鬼の形相で僕を見ている。