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鬼ヶ瀬塚村
第11章 大学時代
真理子さんはニヤニヤしながらわざと僕に肩をぶつけた。
お陰でせっかく持ち上がりかけたウサギがスルッと落ちた。

『あッ!ちょっと…真理子さんッ!揺らさないでよ』

『ほらほら頑張ってよ?後4回よ?もし4回以内に取れなかったら初エッチはなしッ!』

『えッ!?』

真理子さんが肩を揺らしてクスクス笑う。

『ノブ、あんた付き合いだしてすぐに猛烈にいやらしいフェロモン出してるわよ?自分で気付いてる?』

『何言ってるんだよ…』

『本当はヤリたくてヤリたくて仕方ない癖にねッ!ほらぁ、ボーッとしてないで早く取りなさいよッ?私とエッチしたくないのッ!?』

『真理子さん、お願いだから…静かにして…』

周りの人達は真理子さんを奇異を込めた目で見ていた。
こんな状況は正直しょっちゅうだ。

『本当は今夜期待してるんでしょう?』

真理子さんがボソッと呟く。
クレーンはウサギを少し持ち上げたが間抜けな顔を表し始めたそいつを逃した。

なんだ、ちっとも可愛くないヌイグルミだ。
こんなの取って真理子さん喜んでくれるのかなぁ?

…いや、取らなくちゃ、うん。決して下心ではなく、真理子さんの為にッ!
残り3回だッ!

『早くしなさいよ』

『任せなさい』

僕は狙いを定めながらボタンを押す。
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