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鬼ヶ瀬塚村
第11章 大学時代
僕から彼女を寝室に呼ぶなんてとてもおこがましく感じていた。

僕なんかが真理子さんを誘ってもいいのか。
いつもそんな考えが頭を過ったからだ。
…そんな事に時間を使う前にさっさと売れろ。
いや、売れっ子にならなくてもいいからせめて成人雑誌ではなく少年漫画に戻れ。
もう1人の僕が寝室のベッドで丸まる僕にそう言うのだ。

真理子さんが僕から離れていきそうで不安になり、彼女を捕まえて寝室に連れ込んだりはした。
けれど、結局は病のせいなのか薬のせいなのかは知らないが…"勃起"する事は無かった。

残念そうでどこか少し僕を見下すような目付きで真理子さんは見ていた。

僕は恐ろしくて恐ろしくて自分から誘えなくなってしまった。

彼女が好きだからそうしたいのに、そうしようとすると彼女が怖すぎて成り立つ事が出来なかった。

だから、真理子さんが"がおーッ"なんてふざけて時々僕を襲い、上でいやらしく揺れているだけだった。

僕はそんな真理子さんを下から見上げていたけど、いつもなんだか頭だけは冷静だった。

この違和感は本当に一体なんなのだろうか?

僕にはわからなかった。

どうしたらバラバラになった心と身体が元のようにくっつくんだろう。
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