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鬼ヶ瀬塚村
第2章 出発から村人の出迎え迄
僕が昔、車の免許をとりたての頃(…確か20歳だったかな)よく僕は真理子さんを助手席に乗せてレンタカーでドライブをした。

僕が疲れた表情をすれば、真理子さんは仕切りに"飲む?"と麦茶を差し出してくれたり"ごめんね、私も運転出来たらノブに楽させれるのにね"と…腿に手をそっと乗せてくれた。

その手のひらから愛情を感じてしまい、まだ青二才だった僕は恥ずかしくも勃起してしまった過去がある。

今では笑い話にも上がらない昔の話だ。
もう真理子さんは忘れてしまっているだろう。

僕はそっと手を退かした。

真理子さんはその手を追ってはくれなかった。

僕は昔、追って握り返していたのにな…。

………

『ノブ、後少しだよ』

景色は相変わらず山奥だ。耳が少し痛む。標高が高いのだろう。手足も熱っぽく浮腫んでいる気がする。

『後どれくらいなの?』

『んー…20分そこら』

"20分そこら"…僕の心臓は高鳴った。真理子さんのご両親に挨拶する練習は何度もしたし…弟さん夫婦へのお土産、優子ちゃんへのお土産…ご家族に上野で行列が出来る程のカフェの珈琲も用意した…ああ、眼鏡が曇るな、気持ち悪い。
真理子さんはゆっくりしたペースで道を走らせた。

時刻は午後の3時過ぎ…結局渋滞や真理子さんの仕事の電話やらで予定よりも3時間以上は経過している。

途中いくつか落石処理の工事で迂回もしたし随分な長旅だ。

『ノブ、代わりに家に電話してくんない?』

『えッ?構わないけど…家の人びっくりしない?』

『大丈夫よ、家の電話が鳴る時は私からだってわかってるし、あの家電話いらないくらい滅多に鳴らないのよねー。それにノブの事言ってあるからさ、ほら、電話してよ!私運転中なんだからぁ』

普段は平気で運転しながら電話する癖に…そう内心思いながら僕は真理子さんの携帯電話を受け取った。

『発信履歴からかけて、載ってるから』

真理子さんはハンドルを軽快に回した。車体が傾き、僕は傾きながら発信履歴から電話をかけてみた。

初めて真理子さんの実家に電話をする…今までが今までだったから不思議でたまらない。

なんだか実感が湧かない。

プルルルル…プルルルル…プルルルル…プルルルル…

何度か呼び出しがあった後"あい゙ぃ゙"と踏まれたカエルの鳴き声のような音がした。
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