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鬼ヶ瀬塚村
第2章 出発から村人の出迎え迄
一瞬ヒヤリとし、それが人の声だと理解するのに数秒かかった。

『あ、あのお忙しい中すみません。僕、真理子さんの連れの田中と言いまして…』

『あ゙?ぁ~っめか?おうおう真理子のあで、な゙ーッはっはっはっはっ!』

どうやら年配の男性のようだ。
僕は真理子さんをチラッと目配りしてみた。真理子さんはニヤニヤしている。

『…あ、えっと…はい、本日お邪魔する事になってまして…色々ご迷惑おかけします。じきに到着し……』

『『とぉちゃんイカンとじゃ、ほーれ、けーれよけーれよ』『なぼじゃが!ワハハハハ!?』』

電話越しに若い男性の声が混じってきた。

『『じゃぼ、ぼう邪魔すでねッ!』『おっとぅ頼むわー…』『真理子のだんこじゃがい!』…『あ~もうっ駄目よ言うとるじゃ、ばりがなってんだ』』

何がなんだかサッパリわからない。東北弁…?いや、大学で方便の本を徹夜漬けで読み漁ったけど…全くわからない。

辛うじて東北南部と九州北部の訛りに似ているような気がした。

『…ッすみません、申し訳ないです。真理子ちゃんの叔父の荒岩一郎です…父が電話に出てしまっで』

若い電話主はそう言った。後ろで彼の言う父が何やら唸ってごねているようだった。
『あ…いえ、大丈夫ですよ』

真理子さんを再び一瞥すると彼女は笑いを堪えるのに必死らしく、顔を紅潮させて小刻みに震えていた。

『真理子ちゃんから聞いてますっで…田中さんね、後どぼくらいで着きますか?』

『後15分程ですかね』

『『一郎ッ!なぁ~んしとじゃ?』『ほら、真理子ちゃんのだんこがらよ』『オレにもみみかせみみかせ!』『駄目じゃばて!』……ガタッ…ガタタッ…おめか?真理子のね東京のだんこだでんとば?』

『…え?あの…』

サッパリわからない、お手上げだ。

次は年配の女性らしい甲高い声だ。興奮しているのか鼻息まで聞こえる。

『あの…えっと…すみません…真理子さんのお母様ですか?』

『おーでが真理子ばよごらあげだでぇか?ばっか言うでねーよぉ、オレは……ガタッ…痛いでねぇか!……ガタッガタッ…すみません…お電話代わりました、先程の…あの真理子ちゃんの叔父の一郎です』

『賑やかそうですね、今の女性は真理子さんの…』

『ちげぇちげぇ、隣のばっちゃ。東京から人来る聞いて踊ってるんですば』

なるほど、田舎らしいと言えば田舎らしい。
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