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第15章 畜生道

彼女の肉の隙間に何度も何度も自身を打ち込む僕…理奈は何度も僕の名前を呼ぶ。

『信人ッ！信人ッ！』

………

『信人くんッ！信人くんッ！』

聞き慣れた乾いた声がする。
僕は強く揺すぶられていた。
霞んで狭い視界の中、男が僕を見下ろしている。

『……宗二…さ…ん？』

筋肉で強張った喉から絞り出すように僕は言った。
生まれ初めて声を出したような…不思議な感覚だった。

『良かった…良かった…』

宗二さんは涙を流しながら僕を強く抱き締めた。
何が起こっているんだ？霞む視界は例の掘っ立て小屋だ。
地面に立て掛けられた大振りの赤い懐中電灯で照らし出されている。

『大丈夫か？どこか痛むか？』

宗二さんは涙をボロボロ流しながらそう言って僕を抱き締める手を離した。

頭がボンヤリする…僕はハッキリしない視界の中彼を見つめた。

彼は泣いていた。
凛々しく男らしい顔が泣き顔を作っている。
大きな目玉のふちから涙をボロボロこぼしていた。

『…うっ』

急に激痛を感じて僕は額を抱えた。

『すぐには動けない、ジッとして』

宗二さんが僕の両肩に手を置く。そして藁の上に静かに押し倒した。
僕は天井を見つめた。
錆びた掘っ立て小屋の天井だ。