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鬼ヶ瀬塚村
第15章 畜生道
一体何がどうなっているんだ…?
『すまない…全て私の責任だ…私のせいだ』
宗二さんは涙をボロボロ流しながら僕を見下ろしている。
『妻が…弘子が…大切なだけだったんだ…だから、私は…』
肩を震わせながら崩れ落ちるように座りこむ宗二さん。
僕はようやくそこで自分が裸であると気が付いた。
お世辞にも大きくはない皮を被ったそれは黒い毛に囲まれながら情けなく腿に張り付いていた。
僕はカアッと紅潮した。
それを手元の藁で隠しながら宗二さんを見つめる。
彼は泣きじゃくりながら"すまない、すまない"と繰り返していた。
『あ…の……ま……真理子さん…は?』
痺れた舌を無理矢理動かして僕は言う。
そうだ、ついさっきまで彼女は側にいたのだ。その姿が見えない。
『娘は…真理子は…』
宗二さんは膝の上に乗せた手を握りこぶしにした。
『鬼になりました………』
宗二さんはポツリと呟いた。
頭に思いっきり彗星がぶつかったような衝撃を感じた。
彼の言葉の意味が理解できない。
脳が処理に追い付かない。
『私のせいなんだッ…すまない…許してくれ…信人くんッ!』
宗二さんのその細くて小さな身体は震えていた。
『すまない…全て私の責任だ…私のせいだ』
宗二さんは涙をボロボロ流しながら僕を見下ろしている。
『妻が…弘子が…大切なだけだったんだ…だから、私は…』
肩を震わせながら崩れ落ちるように座りこむ宗二さん。
僕はようやくそこで自分が裸であると気が付いた。
お世辞にも大きくはない皮を被ったそれは黒い毛に囲まれながら情けなく腿に張り付いていた。
僕はカアッと紅潮した。
それを手元の藁で隠しながら宗二さんを見つめる。
彼は泣きじゃくりながら"すまない、すまない"と繰り返していた。
『あ…の……ま……真理子さん…は?』
痺れた舌を無理矢理動かして僕は言う。
そうだ、ついさっきまで彼女は側にいたのだ。その姿が見えない。
『娘は…真理子は…』
宗二さんは膝の上に乗せた手を握りこぶしにした。
『鬼になりました………』
宗二さんはポツリと呟いた。
頭に思いっきり彗星がぶつかったような衝撃を感じた。
彼の言葉の意味が理解できない。
脳が処理に追い付かない。
『私のせいなんだッ…すまない…許してくれ…信人くんッ!』
宗二さんのその細くて小さな身体は震えていた。