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鬼ヶ瀬塚村
第15章 畜生道
『で…でも、どうして?だって真理子さんが先に大学に入学してたんですよッ!?』
『そうだね、その通りだ。これを見てごらん』
宗二さんに手渡され、僕はガサガサになった少年ステップを見た。
受賞作品の説明や、審査員の感想、そして改善点など書かれた下に小さく書いてあった。
それは紛れもなく僕の字だった。
"高校を出たら必ず○×大学で美術を学び、立派な漫画家になります!"
そこには僕の字で希望大学が印刷されていたのだ。
僕は…言葉にならなかった…真理子さんは最初から、一番最初から僕を知っていたんだ。
『真理子としては奇跡に近かったでしょうね。私は止めたよ、君が確実にこの大学に進学しているかなんてわからなかったしね…』
『どうして?どうして?…どうして?………どうしてなんですかッ?』
身体の中心に熱い溶岩の塊のような物が込み上げてくる。この感情はなんだ!?
『何故君だったのか、私は知らない。けれどこんな村だ…自分より年下の信人くんが少年漫画家として紹介されているこの記事に、真理子は憧れを抱いたのだろう。何か村から出るキッカケが…あの子の支えであり、希望だったんだろう。それが君だったんだよ』
そんな…嘘だ…。
『そうだね、その通りだ。これを見てごらん』
宗二さんに手渡され、僕はガサガサになった少年ステップを見た。
受賞作品の説明や、審査員の感想、そして改善点など書かれた下に小さく書いてあった。
それは紛れもなく僕の字だった。
"高校を出たら必ず○×大学で美術を学び、立派な漫画家になります!"
そこには僕の字で希望大学が印刷されていたのだ。
僕は…言葉にならなかった…真理子さんは最初から、一番最初から僕を知っていたんだ。
『真理子としては奇跡に近かったでしょうね。私は止めたよ、君が確実にこの大学に進学しているかなんてわからなかったしね…』
『どうして?どうして?…どうして?………どうしてなんですかッ?』
身体の中心に熱い溶岩の塊のような物が込み上げてくる。この感情はなんだ!?
『何故君だったのか、私は知らない。けれどこんな村だ…自分より年下の信人くんが少年漫画家として紹介されているこの記事に、真理子は憧れを抱いたのだろう。何か村から出るキッカケが…あの子の支えであり、希望だったんだろう。それが君だったんだよ』
そんな…嘘だ…。