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鬼ヶ瀬塚村
第15章 畜生道
『そんな中、父は兄にだけ遺産を残していた。多額の現金を…私にはほとんど何も譲られなかった。優秀な兄だけを可愛がっていた父だけに、予想は出来た。しかし若かった私は逆上し、兄の家へ行き………彼を殺してしまった』

あの穏やかで優しそうな笑みを作る彼が淡々と告白している。
その内容は彼には不釣り合いなものだった。

『私は逃げた。兄の死体を乗せて車でさ迷った…そして、兄の死体とともに自殺しようとさ迷っているうちに…ここへ、鬼ヶ瀬塚村にたどり着いた』

『それが33年前…』

『そうだ、そして妻弘子に助けられ私はどんどん彼女を好きになった。一度はどん底に落ち込み、二度と幸せになんてなれないと思ったこの私を弘子は優しくしてくれた』

『そして…結婚して…今までここに?』

宗二さんはもう泣いていなかった。
穏やかな笑みを浮かべていた。
狂った優しい笑顔だった。

『ああ、兄をバラバラにし村人一同で宴をした。初めて食べた人間の肉はどうしようもない程うまかったよ』

鬼だ。
鬼なのだ。
僕はガタガタまるで壊れたように震えた。

人間を殺した彼を、そして食べた彼が恐ろしかった。

『私はそんな中得た小さな幸せ…家族を幸せにしたい。どうか真理子とここに残ってくれ』
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