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鬼ヶ瀬塚村
第17章 神
『真理子…』

僕の隣へ宗二さんがやって来た。

『お父さん…どういう事なのよ?』

『私が全てを話した…私の責任だよ、すまない』

『ノブには…東京へ帰してって…私、言ったのに』

真理子さんは俯いて言う。

『ノブにはノブの人生があるんだよ?だから私…村長として生きる道を選んだんだよ?』

鼻をグズグズ鳴らしながら真理子さんは言う。

『真理子さん、漫画はどうするの?』

『勿論描くわよ…』

『マンションは?』

『…どうしようか』

『どうしようかじゃないでしょ?僕はどうしたらいいの?』

『何が?』

『仕事…僕にだってあるんだよ?』

『ここで描いたらいいじゃない?』

『僕はここにいなきゃいけないの?』

僕の一言に男数人が腰を浮かしたのが見えた。

『まぁ、待ってくれ…真理子、お父さんのせいなんだ』

宗二さんが拳を握り腰を浮かせた男達に両手を上げながら言う。

『信人くん…本当にすまない』

『ノブはここで暮らしたいの?こんな変な村で一生過ごしたいの?』

『いや…僕もう帰れないんでしょ?』

『…そうだけど…』

2人して黙ってしまった。
その時だった。

『ノブッ!おめ、ひでぇ姿してっぺなぁッ!』

優子が飛び出してきて僕に抱き着いた。
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