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鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日
力作だった。
何年も温めていたSFものの漫画だ。
世界は第四次世界大戦で衰退し、疲弊し、凶暴化したアンドロイドが人間を殺す世界だ。
その世界に13人の人型アンドロイドが立ち上がり、世界を救う…とかなんとかありがちなストーリーだ。

主人公の少年クロを中心に、物語はバトルをメインに進んでいく。

それは受賞した。
佳作だったが出版社は僕を"天才少年あらわる!"だとか"手塚てんとう虫先生の生まれ変わり!"だとかもてはやした。

最優秀賞を勝ち取った人物は既にデビューしサイコちっくな少年漫画を連載している。

"卒業したら必ず来てね、期待してるよ"と15歳の僕に言った編集の言葉を信じてやまなかった。

それだけが今まで支えだった。

世間知らずで社交辞令すら知らなかった僕はそれを真に受けて漫画を狂ったように描き続けた。

指先が腱鞘炎に何度もかかったが、僕は漫画家になれると信じて描き続けてきたのだ。

それを否定するのは真理子さんでも許さない。

『…諦めてよ』

僕は呟く。

『…またいずれ僕が売れ出したら…きちんと…責任取るよ、その時に…結婚しようよ?ね?まだ僕大学だって卒業してないんだよ?』

僕は信じていた。
今この手元にある作品を描きあげれば、編集は"神童が帰ってきたぞ!成長して!"と喜んでデビューさせてくれるだろう。
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