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鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日
真理子さんは続けた。

『君は女の子を描けない。だから少年漫画には向いてないよ』

『どうしてだよ?少年漫画だろ?』

『だからよ。男の子達が憧れたり守りたくなるような女の子を描かなくちゃ』

『…じゃあ、真理子さんはこの作品のヒロインを可愛く思うのか?見た目は別として…』

僕は買ってきたばかりの少年ステップを開いた。
わずか15歳で最優秀賞を受賞した漫画は審査結果のページの後ろに堂々と29ページ掲載されていた。

真理子さんはそれをしげしげと眺めた。そしてまだ全部読み終わってもいないのに、パタッと少年ステップを閉じて僕に手渡した。

『つまらない作品ね』

『え…?』

耳を疑った。
最優秀賞の作品だ。輝くばかりに一番を取った作品だ。悔しいが編集が選び抜いたダイヤの原石なのだ。

『最後まで見てよ』

『見なくてもわかるわよ。つまらない、そ、面白くない漫画だわ』

『最優秀賞だよ?』

『ええ、でも15歳の子が描いたって言う話題性だけよ。漫画家なんて掃いて捨てる程いるわプロもアマチュアもね。でも、少子化なんかで人口が減ってる日本よ?将来漫画って文化は大丈夫かしら?立派な漫画家は育つかしら?だから編集はこの受賞した彼をたまたま生け贄にしたのよ』

『生け贄?』

『そ、彼に憧れて漫画家を目指す人間を増やす為によ。15歳よ?みんな自分もなれるんじゃないかって期待するじゃない?』
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