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鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日
中絶し、うちひしがれてもなお僕を心配して少年ステップを深夜に立ち読みしたと言う真理子さん。

"合鍵"を返す事を"口実"にして様子を見に来てくれた真理子さん。

僕と10年後"会う約束"を作ってくれた真理子さん。

僕に憧れて漫画家になったと遠回しに告白した真理子さん。

真理子さんは嘘を言ったんだ。
僕を無関心だと言ったが、真理子さんは愛情しか無かった。

彼女にとって15歳の僕は憧れの対象だった。
けれど、時が過ぎ、色褪せた僕に対して残っていたのは愛情だったんだ。

だから、あの日わざわざ深夜遅くにやって来たんだ。

僕はわかった。
僕が描く女の子はそんな事をしない。

まるで裏を想像させて、女の子の気持ちを勘ぐったり考えたりなんてしなくていいような女の子しか描けない。

つまらない、面白くない女の子だ。

けれど、真理子さんは行動や言葉の隅や裏に愛情を隠している。
それを知って欲しいと誘導しようとする。
だけど若かった僕には誘導先が見当たらなくて彼女が単なる気分屋でキテレツな女の子だと思っていた。

真っ直ぐ好きだと言わない彼女。
でも、よく観察すれば色々と見えてくるもんだ。

なるほど、やはり売れなかったわけだ。
女の子をまるで理解していなかった。
真理子さんみたいな女の子を描いていたら…もしかしたら違っていたのかもな。
もう、遅いけど。
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