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鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日
"違和感感じないかな?"
真理子さんは僕を名前で呼ばなかった。
君と呼んでいた。

名前を呼ぶのは恋人だけだとでも決めていたのだろう。

『ごめんね、真理子さん』

僕は鬼になった彼女を見て、やっとカラクリを理解したのだ。
遅すぎたのかもしれないけれど。
残酷に続くこの奇妙な村でやっとわかった。

彼女は一度だって僕を嫌った事はなかったんだ、と。喧嘩しては"嫌い、嫌い"と喚いていた彼女、僕以上にきちんと関係を考えていたんだ。

僕ばかりの人生だったんだ。

………

結局、勝手に上がり込みズケズケと勝手に漫画熱論をし勝手に帰った彼女。

しばらくは姿を現さなかった。

そして僕が大学をなんとかギリギリで卒業後、やがて新しい生活に馴染み始めた頃には真理子さんの存在は漫画の雑誌の中でしか見当たら無くなった。

連絡もしなかったし、会いもしなかった。
わずか数ヶ月で彼女はみるみる遠い存在になった。

それに僕はのうのうと新しく恋をしていた。
アッサリと何事もなかったかのように。
こんな奴は世間にそこらじゅう居るものだ。
元彼女を孕ませて大騒ぎし、深く傷付けて別れておきながら平気な顔して違う女の子とセックスするんだ。

だから僕は他人の過去の話に興味は無い。
うわべだけ聞いて中身はまるで聞いてい無いのがほとんどだ。
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