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鬼ヶ瀬塚村
第19章 あの日
結局僕は真理子さんが僕を想う気持ちとは全く別のラフな感覚で彼女と過ごしていたんだ。

この閉鎖され孤立を選び、秘密を抱えたこの村で生まれ育った彼女。
15歳の僕が描いた漫画が現実から逃げる唯一の手段だったんだ。

開発と言って先祖代々守った土地を国は平気で取り上げようとする。
それで失敗し、消えていった村は日本国内でも数えきれない程ある。

彼らは村をバリケードで閉鎖し、自らを秘密と共に閉じ込めたのだ。

生きていく為に殺人者に手を貸す、それがこの村の発展手段だ。

真理子さんはそんな罪深い自身の村を嫌い、僕に救いを求め依存し、束縛し離れようとはしなかった。

彼女の人生を大きく変えた僕の漫画。
誰よりも愛さなくてはならない人を大きく動かしたのだ。

だから彼女は僕しかない人生を生きてきた。
僕なしでは意味がないのだ。
自分を認められる自分になれたのは…僕の漫画の影響なのだから。
………

『怖くないの?』

不意に真理子さんが言った。
彼女の指先から小さな蛍が飛び立っていくのが見えた。

『そりゃあ怖いよ、まだ震えてる…でも、実感がないんだよ。だけど、選択はないんでしょ?』

『うん』

『殺さないでね?』

『まだ殺さないわよ』

真理子さんは笑った。
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