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鬼ヶ瀬塚村
第20章 懺悔の時間
進もうが留まろうが、僕の人生の道は地獄道だ。
何もない。
ただ、息をし寝て食べて終わるだけ。
若い頃の情熱はとうに冷め、ただ呼吸するのみ…。
真理子さんの存在意義すらわからなくなっていた。
そんな無色透明の日々を人生と呼べるだろうか?
人生とは…もっと確かに生きているようなものだ。
何かに情熱を燃やし、笑い、泣き、怒り…時に挫折し、そして立ち上がり意味のある1日を築く事だと僕は思う。
精神を病み、先のわからないまま闇雲にやりたくもない仕事をする。
誉める人にも認めてくれる人にも出会った事はない。
半ば無職に近いまま真理子さんに寄生し、ようやく1年程前に今の連載を得た。
男達を悦ばせる事が僕の仕事となった。
僕はエロ漫画を描きたいんじゃない。
スリリングでワクワクする冒険に溢れた少年漫画を描きたいのだ。
『…僕の人生なんて、大したものじゃないですし…』
しまった…そう思った。仮にも娘の恋人がそんな事を言えば、母親は不快な気持ちになるだろう。
しかし、弘子さんは微笑み、そして答えた。
『初めて宗二さんがここに来た時も、信人さん…あなたが今言った事と同じ事を言ったわ。私はとても驚いたのよ、どうして自分の人生をまるで第三者のような目線で語るのかしらって』
何もない。
ただ、息をし寝て食べて終わるだけ。
若い頃の情熱はとうに冷め、ただ呼吸するのみ…。
真理子さんの存在意義すらわからなくなっていた。
そんな無色透明の日々を人生と呼べるだろうか?
人生とは…もっと確かに生きているようなものだ。
何かに情熱を燃やし、笑い、泣き、怒り…時に挫折し、そして立ち上がり意味のある1日を築く事だと僕は思う。
精神を病み、先のわからないまま闇雲にやりたくもない仕事をする。
誉める人にも認めてくれる人にも出会った事はない。
半ば無職に近いまま真理子さんに寄生し、ようやく1年程前に今の連載を得た。
男達を悦ばせる事が僕の仕事となった。
僕はエロ漫画を描きたいんじゃない。
スリリングでワクワクする冒険に溢れた少年漫画を描きたいのだ。
『…僕の人生なんて、大したものじゃないですし…』
しまった…そう思った。仮にも娘の恋人がそんな事を言えば、母親は不快な気持ちになるだろう。
しかし、弘子さんは微笑み、そして答えた。
『初めて宗二さんがここに来た時も、信人さん…あなたが今言った事と同じ事を言ったわ。私はとても驚いたのよ、どうして自分の人生をまるで第三者のような目線で語るのかしらって』