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第20章 懺悔の時間

『あなたの人生はあなたの人生でしょう？どうしてあなたがそれを否定するの？あなたが認めなければ、あなたの人生とは何？誰かの為にあるもの？勿論、人生は多くの人との関わりで日々形を変えるわ。けど、あなたの人生はあなたのものじゃなくて？私が言えた義理ではないけれど…信人さん、あなたは生きていていいのよ？』

瞬間、僕の目から涙が溢れた。
ボロボロと丸く重みをもった涙が涙腺から止まらない。
僕は嗚咽を漏らしながらうなだれた、膝に顔を埋めた。

『あらあら、泣かすつもりはなかったのよ…ごめんなさいね。ただ、思った事を口に出して言っただけなのよ。あなたから人生を奪っておきながら酷い女だと思うでしょうね…』

『…そう…そ…うじゃ…うっ…ないん…ですッ！』

情けないくらいに背中をびくつかせながら、僕はしゃくりあげながら答えた。

『…嬉し…い…うっうう…嬉しいん…です…』

弘子さんは静かに僕の背中に手を乗せた。
重量を全く感じさせない痩せたその手の平から僕は愛情を感じてワァッと泣いた。

『…この…この村でッ…僕…はじ…初めて…認められ…たんです…ッ』

『そうなの…？』

弘子さんは優しく背中をさする。

『たッ…達弘さんが…僕の…漫画が…うっう…好きだって…』

『あらあら』

背中では優しい感触が続く。