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鬼ヶ瀬塚村
第4章 荒岩一族との初対面
『よそもんが村に何しに来だんじゃい!?』
短く刈り上げた黒髪に、まるで糸のように細く整えられた眉…その眉のすぐ下にある両方の目は鋭くつり上がっていた。
狐のような顔立ちの男だった。
『達弘くん、信人くんは弘子姉さんの見舞いにぎでくれたんだべよ?…信人くん、彼は達弘くんね真理子ちゃんの弟で優子の兄貴だ』
達弘と呼ばれた男は口の中で小さく舌打ちし、ちゃぶ台に叩き出すように煙草の箱を放り出した。
パシッとちゃぶ台が鳴く。
そしてスナックだか何かの店名が印刷された安っぽいライターで火を点けた。煙を口一杯に頬張ってから彼は
『姉ぢゃんのだんこだがなんだがじんねぇが、面倒だげは起こすなよ!俺はよそもんがいめぇんだ!』
と言った。
煙を執拗に僕の顔に吹き掛けてくる。
『相変わらずシスコンなんだねぇ達弘は…可愛い奴だわ』
暖簾をくぐり、丸くて小さなお盆に湯飲みを乗せて真理子さんが居間に戻ってきた。
『姉ぢゃあぁん!久しぶりだっぺ!!いぢねんぶりかぁ!?』
真理子さんの姿を見た途端に、弟達弘さんの表情はパッとほころんだ。
余程真理子さんが好きなのだろう。
短く刈り上げた黒髪に、まるで糸のように細く整えられた眉…その眉のすぐ下にある両方の目は鋭くつり上がっていた。
狐のような顔立ちの男だった。
『達弘くん、信人くんは弘子姉さんの見舞いにぎでくれたんだべよ?…信人くん、彼は達弘くんね真理子ちゃんの弟で優子の兄貴だ』
達弘と呼ばれた男は口の中で小さく舌打ちし、ちゃぶ台に叩き出すように煙草の箱を放り出した。
パシッとちゃぶ台が鳴く。
そしてスナックだか何かの店名が印刷された安っぽいライターで火を点けた。煙を口一杯に頬張ってから彼は
『姉ぢゃんのだんこだがなんだがじんねぇが、面倒だげは起こすなよ!俺はよそもんがいめぇんだ!』
と言った。
煙を執拗に僕の顔に吹き掛けてくる。
『相変わらずシスコンなんだねぇ達弘は…可愛い奴だわ』
暖簾をくぐり、丸くて小さなお盆に湯飲みを乗せて真理子さんが居間に戻ってきた。
『姉ぢゃあぁん!久しぶりだっぺ!!いぢねんぶりかぁ!?』
真理子さんの姿を見た途端に、弟達弘さんの表情はパッとほころんだ。
余程真理子さんが好きなのだろう。