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第4章 荒岩一族との初対面

彼もまた左目蓋が三重で、それを細めて笑みを作り、姉である真理子さんを隣に座らせようと畳をポンポン叩いていた。

真理子さんがそれを軽く無視して僕の隣に座布団を整えてから座ると、達弘さんは再び不機嫌そうになり胡座を揺すり始めた。

『はい、みんなお疲れ様ぁ』

真理子さんは僕に、そして一郎さん吾郎さん達弘さんの前に湯飲みを起き、中に黒々としたお茶を注いだ。

僕は喉が乾いていたのですぐにそれを飲んだ。冷たい感触が食道から胃を満たしていくのが感じられる。
ハーブティか何かだろうか？烏龍茶や麦茶だとかは違った旨みのあるお茶だった。

『っかぁーッ！！うんめぇなぁ！！』

吾郎さんは側にあった団扇を扇ぎながらお茶を飲み干した。

達弘さんはまだ不機嫌で手をつけようとしない。

『いいお茶ですね、美味しいです』

僕が感想を言うと真理子さんはニコッと微笑み

『自家製麦茶よ』

と教えてくれた。

『へぇ…家で麦茶って作れるんだね』

僕が感心していると一郎さんが真理子さんに

『真理子ちゃん、ちょっといいがな？』

と立ち上がり調理場へと招いた。
真理子さんも立ち上がりそれに続く。

居間には僕と達弘さんと吾郎さんが残された。