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鬼ヶ瀬塚村
第28章 横山総合診療所
『達弘さん、一体どうしたんです?』
玄関で分厚い安全靴を脱ぐ達弘さんに僕は問う。
彼は涙を拭いながら無言だった。
先の尖ったシャープな鼻を赤くさせて顎はワナワナ震えている。
『お?どご行っでだんじゃ?』
居間の扉から優子がニョキッと頭を出して僕らを見ている。
『じゃがましぃッ!なんでもねぇがッ!』
達弘さんは優子に吠えるとそのままズカズカと廊下を渡り、居間を通りすぎて階段へと姿を消してしまった。
残された僕は居間に入る。
優子と吾郎さんとカヤさんがくつろいでいた。
吾郎さんはカヤさんの隣で堂々と成人雑誌を見ている。
月刊ダイマジンだった…。
カヤさんは相変わらずボーッと口をパクパク金魚のように動かしながらテレビを眺めている。
優子は背中を丸めて何か手作業をしていた。
『何してるの?』
僕は優子の隣に座る。
優子はニヤニヤしながら折り紙のような和紙を折っているようだった。
『風車作っでるんじゃ』
優子は少し自慢気に言う。
それは以前優子と裏庭で花火をした時に見た風車とよく似ていた。
『奴奴から受けた死体を処理すると、荒岩のじょこガキは風車を作るんだっぺよ』
玄関で分厚い安全靴を脱ぐ達弘さんに僕は問う。
彼は涙を拭いながら無言だった。
先の尖ったシャープな鼻を赤くさせて顎はワナワナ震えている。
『お?どご行っでだんじゃ?』
居間の扉から優子がニョキッと頭を出して僕らを見ている。
『じゃがましぃッ!なんでもねぇがッ!』
達弘さんは優子に吠えるとそのままズカズカと廊下を渡り、居間を通りすぎて階段へと姿を消してしまった。
残された僕は居間に入る。
優子と吾郎さんとカヤさんがくつろいでいた。
吾郎さんはカヤさんの隣で堂々と成人雑誌を見ている。
月刊ダイマジンだった…。
カヤさんは相変わらずボーッと口をパクパク金魚のように動かしながらテレビを眺めている。
優子は背中を丸めて何か手作業をしていた。
『何してるの?』
僕は優子の隣に座る。
優子はニヤニヤしながら折り紙のような和紙を折っているようだった。
『風車作っでるんじゃ』
優子は少し自慢気に言う。
それは以前優子と裏庭で花火をした時に見た風車とよく似ていた。
『奴奴から受けた死体を処理すると、荒岩のじょこガキは風車を作るんだっぺよ』