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鬼ヶ瀬塚村
第30章 鬼神祭
『うん、よく似合ってるね』

僕はクルクル回って金魚の柄を自慢する優子に言った。

『所で真理子さんと達弘さん、宗二さんは?』

『姉ぢゃんなら離れで白衣に着替えどるば。兄ぢゃんは知らんッ!父ぢゃんは…参加できねぇんだ』

『優子、やめれ』

一郎さんが振り向いて言う。
彼の口振りからしてだいたい想像はついた。
掟を破った村人は鬼神祭には参加出来無いのだと。

『それにしても達弘ぐんばどご行っだがね?太鼓の男衆の指揮ば達弘ぐんなんだけんどな…』

一郎さんが小首を傾げる。

『先に行っどるんじゃないが?』

吾郎さんが酒瓶をテキパキと運びながら言う。

『ならええんだげんど、一度出て行っだきりだっぺよぉ』

『ノブ、一緒に先に行っで兄ぢゃん探そうッ!』

優子が僕の浴衣の裾を引っ張った。

『頼むわ信人ぐん、はっぴと捻り鉢巻きも置いたまんま出て行っぢまっだんだぁ、見がげだら渡しでぐれ』

一郎さんがはっぴと捻り鉢巻きが入った紫色の風呂敷を僕に手渡した。

『あど、先にごれも』

紗江さんが一升瓶の酒瓶二本を優子に渡す。

『落としで割るなよ?…っだくあの糞亭主はどこ行っでんだか…』

紗江さんはブツブツ小言を言いながら盃を何枚も重ねて風呂敷に包んでいく。
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