この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
鬼ヶ瀬塚村
第30章 鬼神祭
深い…深すぎる。
平然とフラフラと生きてきた僕にはこの村、そして奴奴の存在が深すぎる。
彼は…殺人で今までの苦しみを精算したんじゃ無いか?
何度も何度も傷付けられ、泣いて、怒って、裏切られ…その凝り固まり重ねられた悲しみを殺人で0にしただけじゃないのか?
僕にはわからない。
人間は人間を裁けるのか?
法とはなんだ?
誰の為にあるんだ?
裁判は死者の為だけのものか?
遺族の為だけのものか?
彼の愛はどうなる?
全身全霊で恋人を支えて愛した彼の想いはどうなる?
誰だって誰かを好きになるじゃ無いか?
恋に夢中になるじゃ無いか?
恋愛話は肯定出来るのに、殺人を犯した人間の殺意を否定するのはおかしいんじゃ無いか?
僕は自分がとてもとても…そう、蟻のように小さな存在に感じた。
この世界は負の感情で人生が分かれる。
分岐点が必ず隠れているのだ。
彼はただ少数派側の選択肢を選んだだけに過ぎ無い…。
僕が彼なら江利香さんを許せただろうか?
否、僕も恋する男だ。
殺意にかられると思う。
人間は…深い。
『新しい人生を…生まれ変わった気持ちで始めてみます…もし捕まってもこの村の事は話しません。時間は必要だろうけど、やがて誰かをまた好きになるでしょう』
平然とフラフラと生きてきた僕にはこの村、そして奴奴の存在が深すぎる。
彼は…殺人で今までの苦しみを精算したんじゃ無いか?
何度も何度も傷付けられ、泣いて、怒って、裏切られ…その凝り固まり重ねられた悲しみを殺人で0にしただけじゃないのか?
僕にはわからない。
人間は人間を裁けるのか?
法とはなんだ?
誰の為にあるんだ?
裁判は死者の為だけのものか?
遺族の為だけのものか?
彼の愛はどうなる?
全身全霊で恋人を支えて愛した彼の想いはどうなる?
誰だって誰かを好きになるじゃ無いか?
恋に夢中になるじゃ無いか?
恋愛話は肯定出来るのに、殺人を犯した人間の殺意を否定するのはおかしいんじゃ無いか?
僕は自分がとてもとても…そう、蟻のように小さな存在に感じた。
この世界は負の感情で人生が分かれる。
分岐点が必ず隠れているのだ。
彼はただ少数派側の選択肢を選んだだけに過ぎ無い…。
僕が彼なら江利香さんを許せただろうか?
否、僕も恋する男だ。
殺意にかられると思う。
人間は…深い。
『新しい人生を…生まれ変わった気持ちで始めてみます…もし捕まってもこの村の事は話しません。時間は必要だろうけど、やがて誰かをまた好きになるでしょう』